2009年5月16日土曜日

職業訓練センターでの修了試験

Hamjambo?

 5月も半ばに入りました。タンザニアの学校では1月から新学期が始まっていますが、つい最近、中等学校の2回目の入学選抜が行われました。小学校修了試験には合格したものの、定員がいっぱいで入学できなかった生徒の選抜です。合格しても入学しなかったり、中退した生徒が出て、学校に生徒を受け入れる空きが出たためです。やっと入学できた生徒も12月で1年生が終わることには変わりないそうですが。
       (区役所の塀に張られている合格発表。熱心に子どもたちが見ています。)

さて、今週はいつも行っている職業訓練センターの午後の部、ショートコースの生徒たちが3ヶ月のコースの最後に受ける修了試験が行われていました。この職業訓練センターの午後の部はおおよそ200人ぐらいの生徒がそれぞれ、家政(調理と裁縫が主)、電気、家具作りのコースで学んでいます。とはいっても、教員は5人、道具も場所も何もかも足りないというのが実情で、かなり厳しい状況ですが、先生たちの努力と工夫で教育を続けています。

普段の実習の授業などは道具も材料も足りないので、家政コースの生徒の調理の授業は5人から10人に道具が1セット、材料1人分等の状況で授業をしています。今日の実習の試験のために、先生方は各方面に連絡して足りない道具は調達していました。生徒たちはみんなエプロン姿がばっちりきまっていて、なかなかのものでした。


   (今日はたくさん道具が揃っています。普段はもっと物が少ないです。みんな頑張っていました。)

先日、この学校に別の区にある職業訓練校の先生を招待し、見学してもらいました。見学に来た先生たちの学校は資金難で学校が開けずにいます。そこで頑張っている学校を見て役立つヒントを得てもらえればと思い見学してもらうことを提案しました。テメケのこのセンターは本当に施設が限られていますが、先生たちは努力をされ、生徒たちにも愛情をもって教育していることが伝わってきます。電気コースの生徒は職員室しか電気がない状況で学んでいます。家政科の生徒たちは、時には布が足りないので紙を使ってミシンでまっすぐに縫う練習をしたりしています。水道もありません。さらに、教室施設が足りないので、先日の筆記試験は全員が外に座って試験を受けていました。


      (写生大会ではありません!!筆記試験中です。職業技術を認定する大事な試験です。)

 見学に来た先生たちはこの状況でも学校を開いていることに感銘を受けたようでした。一人の先生は見学後に「今日の見学で視野が広がった。私たちのほうがまだ環境が整っている。色々な工夫で出来ることがたくさんあることが分かった。」と言っていました。

私たち日本人が「もう少し頑張って工夫してみたら?」と言うと、人によっては「そんなこと言わないでお金があるんだから必要なものをそろえてよ。」と言うことがあります。でも見学に来た先生たちも同じタンザニア人が自助努力で頑張っている様子を見て、物が無くても自分たちも頑張ってみようと思ってくれたみたいです。そんな様子を見て素直にとても嬉しい気持ちになりました。でも本当に彼らが学校再開できて成功と言えるので、授業再開を待ち望んでいる生徒のためにも頑張って欲しいものです。
Tutaonana

2 件のコメント:

ケニャイチロー さんのコメント...

道具不足や電機や水の不安定など、多くの問題がありますよね。だからといってあきらめるのでなく、工夫することが大事だと思います。外での筆記試験、印象的ですね。

hana さんのコメント...

クロさん、元気ですか。

外の筆記試験はタンザニア人も見て驚く状況みたい。私も最初は写生大会と思ったぐらいです。何事もUsikate Tamaa!ですね。