2009年5月30日土曜日

ブザ小学校③-Changamoto(挑戦)

Hamjambo?

 先週は、一緒に活動しているユースメンバーが所属するグループが大会に出場したので応援しに行きました。色々なグループの伝統音楽の演奏、ドラマ、ラップ等々のボンゴフレーバー部門があり、優勝すると100万シリングの賞金があることもあり、それぞれ熱の入ったパフォーマンスが繰り広げられました。たくさんのグループがHIV・AIDSをテーマにしたパフォーマンスをしていたのが印象的でした。
(写真はお芝居部門のパフォーマンス。これ以外に伝統ンゴマやマリンバを使った伝統音楽、ヒップホップ等々盛りだくさんでした。)

 さて、Buza小学校との出会いと私の活動―挑戦。

以前にも書きましたが、そもそもBuza小学校との出会いは配属先へ赴任した翌日です。教育委員会の人たちが視察に行くのに付いて行ったことが始まりでした。その時、校長先生も赴任したばかりで、大変な時期だったと思います。視察のあと、教育委員会から教員たちを集合させへのコメントを述べる場面があったのですが、その時「changamoto」という単語を何回も何回も聞きました。この日、「changamoto」は「Challenge, 挑戦」という意味だと憶えました。他の学校をすべて知っているわけではありませんが、校舎、トイレ、机、教科書、水の問題などなど、それぐらい「changamoto」しなければならない課題がたくさんある学校だったとも言えます。
(4年生の教室は校舎も古く、床のコンクリートもボロボロ。生徒の中にはセメント袋を敷いている子もみかけます。机は左はしに一個だけあるのですが、ここには写っていません。)

 その後、Buza小学校が位置する地域の教育官から、いくつかあるなかでもBuza小学校を特になんとかしてほしいと訴えられ、少々苦し紛れに草の根無償支援のことを紹介しました。様々な申請書類をそろえ、地域や役所の協力をとりつけねばならず、おまけに通る可能性は少なく、正直言って申請はできないだろうしあきらめるかもしれないな、と思っていました。その一方で、私のほうでは、出来る限り大使館の情報を提供したり相談に載ったりアドバイスをしながら様子を伺っていました。結果、時間がかかり不備も色々あったものの、何とか校長先生が申請書を出してきました。その間に外国のNGOから井戸の修理代もとりつけていました。校長先生のやる気を感じ始め、気が付くと、大使館へ一緒に出かけた時は、Buza小学校の職員みたいに学校の状況を訴えている自分がいました。

 草の根無償支援の申請を出したことで、学校側の頑張りを感じ、申請は通らないかもしれないけれど、自分が出来ることはないかと考えるようになりました。それで、まずやりだしたのが、COBET(Complementary Basic Education Tanzania/初等教育補完プログラム)クラスでの英語の授業のお手伝い。午後に行われるこのクラスに通う子どもたちは昼間仕事をしていたり様々な理由で普通の学校に通えなかった子どもたちが主です。以前、先生への謝礼も出ていたようですが、ここ半年以上は先生も全くのボランティアです。生徒の中には朝のうちは町の中心地の道路などで物乞いをし、午後家に一度帰ってからこのクラスに通っている子もいるそうです。ここの先生は穏やかな方で、子どもたちの多くは恥ずかしがり屋、ほのぼのとした雰囲気のクラスです。でも子どもたちが学ぶことが大好きなのが、他の学校以上に伝わってくるクラスです。
(Buza小学校では生徒数に対して必要な机は1321ですが、実際あるのは210個のみ。貴重な机なのに壊れているものも。。。)

 もうひとつ、自分でやりだしたことは、6月にダルエスサラームで開かれる携帯電話会社主催のマラソン大会を利用し、この学校のために主に邦人関係ですが寄付を募り、出来れば机を送ろうという計画です。他の隊員と共同で企画し、彼女も自分の配属先の職業訓練校再開のために資金を使いたいということです。名づけて「ちゃんがもと・ちゃりてぃ・まらそん・ぷろじぇくと」。賛同ランナーを集め、その完走者の数や総距離に応じて1口の寄付額を決めるという形にしました。似たようなイベントについてJICA関係者の方からヒントを頂き、やってみることにしました。初めてのことで現在も試行錯誤の状況です。多くの人の理解が得られるのか、よい支援が出来るのか、私にとっても一緒に企画をしている仲間の隊員にとってもまさに「changamoto・挑戦」となる試みです。失敗覚悟の上、限られた隊員生活の中で何かやろうという心意気でドキドキしながら取り組んでいます。
Tutaonana

2009年5月24日日曜日

ブザ小学校②-学校の塀が欲しい

Hamjambo?

 今日は久しぶりにゆっくりとした日曜日です。昨日の土曜日もテメケのごちゃごちゃした住宅密集地にタンザニア人の友達や同期隊員とでかけ、その辺りでたむろっている(?)若者にアンケート調査をしに行きました。日本人だけではなかなか行けない所に行ってみんなと話をし、貴重な体験ができました。

さて、BUZA小学校、再び。

学校に塀のないところはタンザニアではちょくちょく見かけますが、Buza小学校では、今回外務省の草の根無償支援でトイレとともに学校の塀の建設も申請しました。

学校に塀がないと、どうなるのか。子どもたちは出入り自由。。。先日の学校訪問で4年生のクラスに先生や大使館の人たちと行くと、どうやら生徒の数が少なくなっていたみたいです。先生が「みんなはどこにいったんだ?」と尋ねると、生徒が元気に「Wametoroka!!」と答えます。「toroka」という言葉は「逃げる、さぼる」という意味で、職場から就業時間前に帰ってしまった人や、学校を途中でさぼったり、ひいては不登校の生徒に対して使います。「彼らはさぼって家に帰りました!!」とまあ、生徒たちが元気に言っているような感じです。なんとなく日常茶飯事にこんなことが起きているのが伝わってきます。もともと生徒が多すぎて先生の目が行き届かないところに、塀がないため子どもたちが「toroka」
する問題が悪化しているようです。

(4年生のクラス。これでも帰ってしまった生徒がいるので、普段はもっとたくさんの生徒が1つの教室で勉強しています。)

あとは、外部からの侵入者も出入り自由。。。この日私たちが来る前に、ナイフを持った青年にお金をせびられた生徒が出たそうで警察に通報したそうです。

前回のブログ記事にトイレの写真を載せましたが、いずれも個室に戸がないことがお分かりいただけたかと思います。校長先生いわく、何度も戸をつけたけれど、板が盗まれてしまうそうです。ということで、トイレの扉もないし、学校の塀もないので用を足しているところは全くのオープンです。プライバシーなし。。。(先生用は扉なんとか付いてるのになぁ。。。)トイレの扉も問題ですが、学校の物も盗まれたりしたこともあったそうです。それに今は教室建設のために、セメントやブロックが置かれているのでその管理も大変です。アスカリ(見張り役の警備員)を2人雇うことにしたらしいですが、2人の目を盗んであっちから、こっちからと泥棒が。。。そんなこんなで、せっかく新しいトイレを作ってもまた外部からの侵入者に傷つけられては大変です。ということで塀も欲しい、というのが学校側の考えです。

   (教室2個分の建設のために用意されているブロック。塀がないので木の向こうは道路です。)

そして、学校の敷地内に勝手に家を建てている人も。どこからどこまでが敷地かはっきりしませんが、校長先生は「ここも学校の敷地だ!」と言っていました。そして、その境界線のあたりをみんなで見ていると、若者が昼間からいちゃいちゃ。。。教育上よろしくない。
物をあげるのは良くない援助だと言われることも多いですが、日本でもどこでも、子どもの学習環境はやっぱり整えるべきだと思います。勉強したい子どもがとても気の毒です。自分も出来ることをしたいなとは思っています。次は私がこの学校でやっていること。。。Buza小学校、まだ続きます。

Tutaonana

2009年5月20日水曜日

ブザ小学校①-草の根無償資金協力の可能性

Hamjambo?

 先日、職業訓練センターの先生や生徒に作り方を教えてもらったマンダージ(ドーナツ)を家で作り、職場に持っていきました。みんなおいしいと言ってくれて大満足。チャパティも作れるようになったし、今度サンブーサ(サモサ)の作り方を教えてもらえば、日本でもたのしいチャイの時間が楽しめるようになりそうです。

(作ったドーナツ。そして買ってしまったチャパティ用の台。これで生地を伸ばしてチャパティ、マンダージなどを作ります。)

 さて、昨日は週に1日通っているBuza小学校へ日本大使館の人たちと行って来ました。というのも、日本の外務省が行っている「草の根無償資金協力プログラム」にこの学校が応募し、現場見学ということで職員の方が来てくれたからです。このプログラムはすべての資金を援助するのではなく、地域社会からの貢献を必ず必要としているため、この日も学校の評議委員会のメンバーがみんな集まっていました。

        (上級生のクラス。ここのクラスは一応ちゃんと机がありますが。。。)

この学校とは縁があり、私が配属先に赴任した翌日に初めてテメケで訪れた小学校です。

この学校は、いわば都市近郊の新興住宅地、といえば聞こえがよいですが、日々どんどん町の中心や地方から人が移ってきて人口が爆発的に急増している地域にあります。それゆえの問題を抱え、何もかも足りない、校舎も老朽化し、「日本人だからなんとかしてよ。」ってことで、地区の役人が私に話をしてきたのがこの学校との関わりの始まりです。自分だけではどうにも出来ないので、正直言うと、苦し紛れに紹介したのがこの「草の根無償資金協力プログラム」でした。
このプログラム、大変な競争率で、300件ぐらい申請があるなかで、実際通るのは15件ぐらいしかありません。それでも校長先生も頑張ってやる気を出し、自分も色々相談に載ったりしてなんとか申請までこぎつけ、校長先生と一緒に日本大使館まで行ったり、そんなこんなで、今では校長先生とも仲良しです。

それで、この学校が何をお願いしたかというと「学校の塀」と「トイレ」です。人間の安全保障に関わる案件を取り扱うこの「草の根」援助で、なぜ「塀」と「トイレ」なのか。。。ちょっとピンとこないというのが一般的な受け止め方のようです。

教室が一番欲しいのですが、残念ながらこの「草の根」では小学校の校舎建設は取り扱っていません。それで、その他というと急務なのがまず「トイレ」。

      
この学校、生徒数が急増していて、私が初めて人数を把握した2008年11月で3411人(小学校3361人、幼稚園50人)だったのが、昨日(2009年5月)で3860人(小学校、3805人、幼稚園55人)になっていました。約半年から7ヶ月ぐらいの間に生徒が400人以上増加しています。その状態が今ももちろん続いています。しかもこれだけ生徒がいて、トイレの数(穴の数です)は女子用がたったの4つ、男子用も4つだけなのです!!!

        (男子用のトイレ。男子生徒がおおよそ2000人にたいしてこれがすべてです。)
これでどんな問題が起きるかと言うと。。。

1.トイレに生徒のとんでもなく長い列ができる。 ⇒ 並んでいる生徒同士でけんか。。。強い生徒だけがトイレを使っているという事態がどうも起きているらしい。
2.我慢できない生徒がその辺りで用を足している。⇒ 衛生上もよろしくない。
3.用を足しに家に帰ってそのまま学校に戻らない生徒が続出している。⇒ 学習の遅れ、学校嫌い、不登校となる傾向。

などなどです。 人口密集地なのでその辺りで用を足すことだけでは問題が解決しないというのが現状です。

ちなみに、先生の数も60人いてトイレはそれぞれ男性用1、女性用1です。この申請が万が一!(っていうぐらいの確立だと思います)通ったら、トイレを30個建設する予定です。でもまだ足りないんですけどね。

「学校の塀」の話はまたこの次。これもまた色々ありです。

Tutaonana

2009年5月16日土曜日

職業訓練センターでの修了試験

Hamjambo?

 5月も半ばに入りました。タンザニアの学校では1月から新学期が始まっていますが、つい最近、中等学校の2回目の入学選抜が行われました。小学校修了試験には合格したものの、定員がいっぱいで入学できなかった生徒の選抜です。合格しても入学しなかったり、中退した生徒が出て、学校に生徒を受け入れる空きが出たためです。やっと入学できた生徒も12月で1年生が終わることには変わりないそうですが。
       (区役所の塀に張られている合格発表。熱心に子どもたちが見ています。)

さて、今週はいつも行っている職業訓練センターの午後の部、ショートコースの生徒たちが3ヶ月のコースの最後に受ける修了試験が行われていました。この職業訓練センターの午後の部はおおよそ200人ぐらいの生徒がそれぞれ、家政(調理と裁縫が主)、電気、家具作りのコースで学んでいます。とはいっても、教員は5人、道具も場所も何もかも足りないというのが実情で、かなり厳しい状況ですが、先生たちの努力と工夫で教育を続けています。

普段の実習の授業などは道具も材料も足りないので、家政コースの生徒の調理の授業は5人から10人に道具が1セット、材料1人分等の状況で授業をしています。今日の実習の試験のために、先生方は各方面に連絡して足りない道具は調達していました。生徒たちはみんなエプロン姿がばっちりきまっていて、なかなかのものでした。


   (今日はたくさん道具が揃っています。普段はもっと物が少ないです。みんな頑張っていました。)

先日、この学校に別の区にある職業訓練校の先生を招待し、見学してもらいました。見学に来た先生たちの学校は資金難で学校が開けずにいます。そこで頑張っている学校を見て役立つヒントを得てもらえればと思い見学してもらうことを提案しました。テメケのこのセンターは本当に施設が限られていますが、先生たちは努力をされ、生徒たちにも愛情をもって教育していることが伝わってきます。電気コースの生徒は職員室しか電気がない状況で学んでいます。家政科の生徒たちは、時には布が足りないので紙を使ってミシンでまっすぐに縫う練習をしたりしています。水道もありません。さらに、教室施設が足りないので、先日の筆記試験は全員が外に座って試験を受けていました。


      (写生大会ではありません!!筆記試験中です。職業技術を認定する大事な試験です。)

 見学に来た先生たちはこの状況でも学校を開いていることに感銘を受けたようでした。一人の先生は見学後に「今日の見学で視野が広がった。私たちのほうがまだ環境が整っている。色々な工夫で出来ることがたくさんあることが分かった。」と言っていました。

私たち日本人が「もう少し頑張って工夫してみたら?」と言うと、人によっては「そんなこと言わないでお金があるんだから必要なものをそろえてよ。」と言うことがあります。でも見学に来た先生たちも同じタンザニア人が自助努力で頑張っている様子を見て、物が無くても自分たちも頑張ってみようと思ってくれたみたいです。そんな様子を見て素直にとても嬉しい気持ちになりました。でも本当に彼らが学校再開できて成功と言えるので、授業再開を待ち望んでいる生徒のためにも頑張って欲しいものです。
Tutaonana

2009年5月6日水曜日

視察官がやってくる!

Hamjambo?

 このところよく物が壊れているかもしれません。実は訓練直前に日本で購入したデジカメが最近故障。仕方なく、こちらで新しいカメラを購入したところです。ダルエスサラームにも映画館も併設された日本並のショッピングモールが1軒あり、その電化製品売り場で買いました。

そして今朝は家のトイレの扉が外れてしまいました。こちらも新築のはずなんですが、どうしたものか。大家さんに連絡し、直してもらうようお願いしました。

 さて、今日は役所の一番近くにあるKibasira小学校へ行く日です。 この学校では英語の授業、ライフスキルの授業のお手伝いをしています。

この学校には保健、カウンセリング担当の先生がいて、子どもたちが個別に相談しやすいように個室(と言っても日本とは全く様子がちがいますが。。。。)を持っています。この先生の部屋でHIV・AIDS関連の冊子や雑誌を自由に読んでもらいたいと思って、啓発用の雑誌などを集め、先生に先日お渡ししたところです。こちらで青少年向けに発行されている大人気の雑誌「Fema」と「Si Michezo」を編集している団体からもらってきました。こちらではこういった冊子や雑誌も貴重です。今日は雑誌が読めることを知らせるポスターを作りました。



(作ったポスター。「Fema」「Si Michezo」といった雑誌はHIV/AIDSのことや思春期の悩み相談室などもある啓発用の雑誌です。ポップでおしゃれな雰囲気の雑誌で青少年の心をばっちりつかんでいます。学校等には無料で配っています。)

さて、職員室でノート点検をしたりポスター作りをしていると、ボタンをはずしたまま制服を着ていた女子生徒が先生にしかられて、木の枝でお尻を叩かれていました。しばらくすると、また別の生徒が別のことで叱られています。

そうこうしていると、「環境整備をしっかりしてと校長先生から連絡よ!視察官が来るから。」と一人の先生が職員室に入ってきました。テメケ区役所の教育課には視察課が独立して存在し、何人かの視察官がおり専属に車もあって100校ほどある小学校を視察しているようです。

すると、今度は悪さをした生徒が呼び出され、罰として庭の草刈がはじまりました。パンガと呼ばれる、平べったくて長い金属の道具で草を刈ります。私もやってみろと言われましたが、重みもあるし、それほど切れもよくないし、このパンガで草を上手に刈るにはコツが必要なようです。
(パンガを振って草刈をしています。この生徒たちは授業はそっちのけで草刈です。日本だったら機械で草刈をするんでしょ?と言われてしまいました。)

結局、その生徒たちは休み時間の後、一日の授業が終わるまでずっと草刈をしていました。帰りに校庭の横を通ると草がきれいにすべて刈られすっきりしていたことは言うまでもありません。そして、気のせいか、今日はいつもにも増して、先生に叱られてお尻を叩かれている生徒が多かったように思いました。

(一日の授業の終わりにはみんな集まって連絡事項などを聞いて帰ります。ここでも友達をいじめていたのが見つかってお尻を叩かれている生徒がいました。)

なのに、なのに、視察官たちはなん連絡も無いまま結局来なかったのでした。こんなこともタンザニアではよくあること。なんともこの国らしい一日の終わりとなりました。

Tutaonana

2009年5月1日金曜日

なぞの中国人

Hamjambo?

雨季も本格的になってきました。

先日、4月26日はタンザニア共和国の日で祝日でした。大陸部分のタンガニーカ国とザンジバル島がひとつになり、タンザニア共和国が誕生した日で今年は45周年です。こちらの人たちはイベントがあるごとに、おそろいのTシャツやポロシャツを作って関係者に配るのが大好き。今回は役所で配っていたので式典の招待状と一緒に私もポロシャツと帽子をもらい、それを着て近所の国立競技場へ出かけました。

(雨の季節なので、これにオリジナル傘もありました。無料で配っています。左はポロシャツを着て帽子をかぶり旗をふる人たち。背中にも文字が。)

本格的な雨が降る中行われた式典。雨のため飛行機が飛ばずザンジバルの大統領が来られないというハプニングがあったものの、式典が2時間遅れぐらいで始まりました。みんなポロシャツと帽子をかぶり見ています。その中で「なぞの中国人」が同じ格好をして、旗を振っているのはさぞかし奇妙だったことでしょう。今日はなぜか私に話しかける人もほとんどおらず、何度もジロジロ見られた上、混雑しているにもかかわらず私の席のまわりだけは席が少々空いていました。あとで小学生のマスゲームがあり、知り合いの先生たちとわいわい言いながらそれを見ましたが。

(雨が降る中、傘をさしてみんな軍隊の行進を見学。女性だけのグループが男性のグループと半々です。さすがはジェンダーバランスの点で非常に優れている国だけのことはあります。)


(キクウェテ大統領ももちろん出席。雨の中、キクウェテ大統領を待って軍の人たちは2時間近く立ったままの状態でした。気分が悪くなって倒れた人も少々いました。大変です。)

さて、今日は2本バスを乗り継いで遠くの学校へ行くつもりで出かけました。1本目のバスに乗っている最中に雨が強くなり、乗り換えの市場に着くと、地面はどろどろです。「乗り換えのバスはあっちだよ」と教えてもらって歩いていると。。。。足が~!!!

泥のなかにふくらはぎのあたりまで両足が埋まってしまい動けなくなってしまいました。周りの人は変な「中国人」が泥にはまって動けなくなってるぞぉという感じで大笑いしながら見ています。「チナーチナー(中国人)」だけが耳に入り、笑うしかない私。。。親切な人に手を貸してもらってなんとか泥の中からでるものの、サンダルが両方とも泥の中(汗)。

するとまた別のタンザニア人が泥の中に手を突っ込んで取ってくれました。水も探してきてくれてサンダルまで洗ってくれて本当に親切な人でした。

この人自身も周りの人たちにだいぶ色んなことを言われていたようです。「助けたからチナにお金もらえよ」みたいに言っている人もいました。でもこの人は「助けてるだけさ」と言い、私にも「心配しなくていいから」と何度も声をかけながら水で足やサンダルを洗うのを手伝ってくれました。

お金を渡すのはどうかと思って、たまたま瓶入りの唐辛子ソース(職業訓練センターの生徒が作ったもの)をたくさん持っていたので、「ありがとう。1つどうですか?」と言ってみましたが、「唐辛子は食べないから」と言って受け取らず、最後は「どこに行くの?」と聞いて次のバスを探そうとしてくれました。

道路も悪くなってきた上、自分もどろどろになり、ちょっと気持ちもへこんだ私は学校へ行くのをあきらめそのまま家に帰ることにしました。結局、最後まで誰も私が何者か尋ねなかったので、私は「なぞの中国人」のままその場を後にしました。

今夜はさぞかし多くのタンザニア人家庭で「なぞの中国人」の話がされたことでしょう。

Tutaonana