先日12月1日は世界エイズデーで区役所主催のイベントがあり、そこに行ってきました。たくさんのグループ、NGOなどが参加しており、今年は会場でたくさんの人に声をかけられ、この1年で随分知り合いが増えたことを実感した一日でした。
タンザニアでは「○○の日のイベント」あるいは「○○のキャンペーンイベント」というものがとても多いように感じます。「世界エイズデー」はもちろんのこと、「世界平和デー」「女性デー」、「青少年デー」など、それに加えて国の独立記念日なども大々的にお祝いします。キャンペーンも色々あるようで、エイズ関係のもの、ジェンダーに関するもの、マラリアなどの保健関連のものなど色々なキャンペーンの話も聞きます。そしてこういったイベントごとに欠かせないのが、ンゴマ(太鼓などの伝統楽器の演奏と踊り)とお芝居です。
(ンゴマのグループ。世界エイズデーにて)
先日は「税金支払いデー」とでもいうような日があり、その日もイベントが開かれました。知り合いのユースグループがこの日、お芝居と太鼓の仕事を請け負ったので見に行きました。ここでも来賓が来るまで、伝統的な太鼓なども入れたバンドの演奏があり、ボーカルの人が「税金」をテーマにしたらしい歌を歌っていました。伝統ンゴマの演奏と踊りももちろんあり、そのあと、友達のユースグループの人たちが「税金を払うことに寄って福祉施設などの充実が図られる」ということをテーマにしたお芝居をしました。
(「税金を払おうキャンペーン」?!のイベントでのお芝居の様子)
私の活動しているテメケ区はこういった伝統ンゴマの演奏、踊りやお芝居だけで生活を立てているひとがちょくちょくいるように感じます。有名なアーティストの多くもテメケ出身者が多いと聞きます。最初、こういった芸術だけで食べていけるのか疑問に思いましたが、最近はなんとなくそれも可能なのかもしれないと感じます。というのも、国レベル、県レベルのイベントだけでなく、家族のイベントなどでも音楽が欠かせない国だと感じるからです。つい数日前、ユースグループのメンバー2人が「今から仕事に行く」と急に言い出し、何かと思ったら近所に住む女性たちから太鼓の演奏と歌を頼まれたらしく見学させてもらいました。
その女性たちは友達が子どもを産んだのでみんなで贈り物を届けに行くのだけれど、それにBGMが必要ということらしかったです。彼らの「仕事場」に行くと、「待ってたんですよ!」と楽しげに話しをする女性たちが10人ほど集まっています。女性たちが2人の青年に少しばかりのお金を渡し、皆で友達の家に向かって歩き出すと、青年たちは太鼓とタンバリンを叩きながら歌を歌い始めました。と思うと、みんなそれにあわせ歌いだします。皆で青年2人の演奏と歌に合わせ、歌い踊りながら子どもを産んだ友達の家まで細い路地を通りながら進んでいきました。
文章で書いてしまうと味気ないのですが、とても幸せなシーンでした。みんな歌いながら嬉しそうで幸せそうで弾んでいる感じとでも言うのでしょうか。太鼓の演奏にあわせてみんなで歌い踊りながら進んでいくと、途中でだんだん人数が増え、目的地の家に着くと人数が倍以上に増えていたように思います。近所の子どもたちも寄ってきて、家の前の狭い路地でも皆でひと踊り。このお家にはCDデッキらしきものがあり、ここで音楽はCDにバトンタッチ。ここで青年たちの仕事終了。時間にして正味20分ぐらいでしょうか。
毎日とは行かないでしょうがこういう仕事がちょくちょくあるようで、ちょっとしたお小遣いにはなります。若い人たちの仕事がなかなかないと言われているなかで、演奏が上手だと評判になればちょっとした小金が稼げるようです。
これからCDなどを利用する人も増えるのかもしれませんが、貧しい人もまだまだ多く、電気がない家も多いし停電もなくならないという状況の中、しばらくはこういう仕事もなくならないだろうと思いました。
Tutaonana
2 件のコメント:
先日はありがとうございました。
素敵な活動が見えて、また一緒に参加できて楽しかったです。
今度は東京で3月に語りましょう。
こちらこそありがとうございました!
教えて頂いた歌、早速みんなで歌っています。子どもたちもとても喜んでいたと思います。次は東京で!
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