2009年12月31日木曜日

2009年、忘年会


Hamjambo?

年も暮れ。日本はほとんどの職場が仕事納めとなっているかと思います。こちらは1月1日だけが祝日であとはカレンダー通りですから、今日も明日も仕事です。もちろん、クリスマスの祝日もありますし、学校が休みで教育課は特に仕事が少し減るのでこの時期に休暇をとる人も多いですけれど。

 今年の年末は旅行には出かけなかったので、今日は職場の「忘年会」に誘われました。この会は「2009年にさよならをする会」という名前でしたが、2009年も終わりということで、今年一緒に頑張った職場のみんなで今年あった難しい仕事のことなどは忘れて楽しい時間を過ごしましょう、また新しい年も頑張りましょう、という会で、趣旨からすると、どう考えても「忘年会」だなと思いました。
        (会場となったレストランにはなんとなくタイ風の置物と、クリスマスからそのままと思われるツリーとデコレーションが。。。)

 この忘年会には教育課の各セクションの職員、各小学校の校長先生、また各地域の教育コーディネーターが参加しました。休暇で欠席だった人も結構いたようですが、総勢100人以上の大々的な会となりました。この会の運営はいわゆる「親睦会委員」みたいな人が選出されて委員会が作られ、参加費を集めや会場の予約、会場までのバスの手配や会の司会などといった仕事を一手に引き受け、今日の日を迎えました。自分たちで企画したので親睦会委員のメンバーももちろん職員であったり校長先生だったり、教育コーディネーターだったりするわけです。会費については、お金をある程度持っているタンザニア人の集まりということで、こちらの物価から考えると感覚的には2万円ぐらい払った気分です。(実際は日本円で2000円弱ですけど)

 さて、日本的な部分もあるこの会ですが、タンザニアならではと言うところも当然たくさんあって、興味深いと同時に楽しかったです。まずは職場から離れていつもと違う雰囲気を楽しみましょう、ということで、会場に到着してから飲み物を飲みながらみんなが集まるのを待つこと1時間近くかな。会が始まると運営委員会の委員長から挨拶があって、そのあと記念品みたいな感じで各自オリジナルプリントのハンカチが配られました。安物のハンカチではありますが、ハンカチをもらった参加者は音楽に合わせてみんなでそれを振り回して盛り上がりました。文章に書くと、なんでそんなことで盛り上がるか分からないかもしれませんが、これが盛り上がったのです。。。乾杯などがあり、それから食事と言う時になって仕事で遅れてきた教育長が到着。また音楽がかかってみんなでハンカチを振り回して踊りながら教育長の到着を歓迎。


(ハンカチを振って踊りながら教育長をお出迎えするほかの職員たち)


 タンザニアの常識っぽいですが、とにかく常に音楽がかかっていて、誰かが登場する時、帰る時も音付きです。また乾杯があって、全員が教育長や各セクションの代表者がグラスを持って待っているところへ行列を作って乾杯しに行きました。この時も音楽がかかってみんなグラスを持って当然踊りながら進みます。
 (記念品のハンカチ。「2009年を終えるにあたって。教育課、テメケ区役所。2009年12月30日。協力おめでとう(どちらかというと、協力に感謝という意味合いかもしれません。)」と書いてあります。)

会の最中はだいたいみんな飲みながら各テーブルで話をして過ごすのですが、途中色々プログラムがあり、代表者がシャンペンをあけたり、ちょっとした余興、ダンスタイムがありました。
 余興では委員会が何人か指名し、教育長の物まねをしてくださいとか、踊りを踊ってくださいとか、真面目なところでは今年を振り返って最も感銘を受けたことを発表してください、とか仲間うちでも目だっている人が前に呼ばれていました。今の教育長は「真面目で仕事に厳しい」という印象の人だったので、物まねする人がその辺を強調したせりふをしゃべってみんなを笑わせていました。

 (時間があいたり、プログラムとプログラムの間はとりあえず踊る。。。という感じですかね。)

最後にまた教育長からダンスタイムの開始のお言葉がありました。ダンスタイム開始の前は、各セクションや校長代表、コーディネーター代表者が前に呼ばれてみんなの前で音楽に合わせて一通り踊ってから全員のダンスタイムとなりました。実は私も前に呼ばれました。踊りとか全くダメな私ですが、ここはタンザニア。郷に入っては郷に従え、ということで最低限のことはやり遂げました。
 ということで、後半は終始音楽がかかり、踊る人、おしゃべりする人、踊って疲れて席に戻って休んでからまだ踊りに行く人、タンザニア人でも全く踊りに行かない人も少数いて、それぞれの時間を楽しみました。教育長も楽しそう。仕事だけでなく、こういう時間も配属先の人みんなと過ごせて本当に良かったです。

皆様も良いお年を。

Tutaonana

2009年12月26日土曜日

青少年向けライフスキルセミナーの開催

Hamjambo?

 メリークリスマス!タンザニアは12月25日と翌日のBoxing Dayは祝日です。前日の24日には職場ではおいしいと評判らしい“シンギダ”地方の地鶏を売りに来ている人がいました。イスラム教徒の私のカウンターパートも祝日前日は「クリスマスだから。」と言ってニワトリを買っていました。宗教に関係なくクリスマスは家族が集まる日のようです。私は今年のクリスマスとお正月は任期も残り3ヶ月となり出歩く気にもあまりなれず、おとなしくダルエスサラームで休養しようと思います。


(車にニワトリを積んでいます。役所の敷地内で職員の人が商売。。。)

 さて、クリスマスの前、12月21日と22日に15歳ぐらいから25歳ぐらいまでの青少年を対象にライフスキルのセミナーを行いました。参加者は25名弱で、その8割ぐらいは学校へ行っていない青少年。小学校しか出ていない人も多かったと思います。テメケにはたくさんの青少年のグループがあり、中には賭け事ばかりやったり集まっては大麻を吸ったりしているグループもありますが、今回はある程度地域のために何かしたいと思っているグループに声をかけ代表者を集めてセミナーを行いました。


 こちらの国では講師以外に参加者に対してセミナーの際に日当が出ることが慣習になってきています。セミナーに呼ばれる=お金がもらえる、と思う人がほとんどです。それに大体は朝から夕方までみっちりセミナーをやるので食事の無償提供も当たり前になってきています。日本的感覚からすると、それはどうなんだ!?と思いますが、特にダルエスサラームのような都会で役所内でも役職が上の人になるとセミナーだけでかなりの日当をもらっているのが現実です。今回のセミナーではNGOと共同開催ということで予算も隊員支援経費とNGOからとで共同で出す予定で進めてきました。日当や食事代はそちらのNGOに出してもらうことにしてセミナーを準備していたのですが、突然そのNGOからの予算が出なくなり、日当なし、食事なしのセミナーをすることになりました。実際、私がセミナーの準備をしているのを知った役所の人が「ノリコ、セミナーをするなら私を呼んで!」と言ってきたことがあり、「日当も食事もないけど。」と言うと「じゃあ、行きたくないわ。日当なしは嫌いよ。」と言われました。こういう慣習がある国でみんな来てくれるのか心配でしたが、お腹がすいて集中力がなくならないように時間を短くし、各青少年グループに直接出かけてセミナーの趣旨や日当は出ないこと、しかし同時にどんなメリットがあるのかを説明し理解を求めて出席してもらいました。結果、理解してくれたと手ごたえのあったグループの人はみんな来てくれました。1つのグループだけ、説明に行った時もあまり落ち着いて話を聞いてくれず、質問もなにもしてくれなかったところがあり、そこの人たちは残念ながら来てくれませんでした。

 内容については、「人生設計と目標設定」、「HIV・AIDSと性感染症」「薬物」そして「仲間の啓発のためのプラン作り」としました。いつもよく一緒に活動しているDon Boscoの青少年向けプログラムで講師をしている人に1日目は話をしてもらいました。普段から彼の授業を見ていてとても知識が豊富で話もうまいと思っていたので、彼にお願いしたのですが大成功でした。

(目隠しをして障害物のあるスペースを歩く参加者。人生においても先の見通しがないと、思わぬ障害物にぶち当たり目標を達成できないということを体感。)

 特に「人生設計と目標設定」では今までそういった話を一度も聞いたことのない人が多かったようで、みんなとても感銘を受けていました。小学校が会場だったのですが、途中で先生たちもやってきて話に聞き入っていました。あとは性感染症についても特に感銘をうけていたようです。HIV・AIDSについての話はよく聞くものの、別の性感染症について医学的な面から説明をあまり受けたことがなかったらしく、ひどくなると、不妊や女性の場合は胎児にも影響があることを聞き、驚いていました。

(薬物に関するセッションで出された発言を板書しました。。。難しかった。短い言葉はいいんだけど、長い発言や説明になると付いて行けず。いい経験にはなりました。) 

 2日目は地元の青少年グループのリーダーが中心になってファシリテーターを務めました。私も「薬物」のところで「たばこ」「お酒」「大麻」使用の健康被害や依存性について四苦八苦しながらスワヒリ語で説明しました。これを機会に薬物のパンフレットを作成したので、それも配布しました。参加者の住む地域では大麻の使用をしている人も多く、間近に常用者の様子を見ているのでなんとなくその害については理解しているようでしたが、依存性についてあまり理解していなかったようで、このセミナーが少しは役に立ったかなと思いました。この辺りではタバコが一本20円ぐらいとしたら、大麻は一本30円ぐらいで売っているそうです。商売している人もいるわけで、なかなか根深い問題と感じます。HIVについてのパンフレットやチラシはたくさんみますし手に入りますが、薬物のパンフレットは少ないので、これからも配布していけたらと思います。

(休み時間には参加しているグループの太鼓と踊りも少しだけ披露してもらいました。)

 最後は仲間にこのセミナーの内容をどう伝えるかについて話し合いました。本当にしてくれるのか。。。少々不安ですが、少なくとも彼らの決意を聞くことができました。各グループにはNGOから無料でもらってきた啓発の雑誌やパンフレットをたくさん配り、グループの持ち物として図書館のようにみんなが読めるように貸し出しなどをして欲しいと伝えました。
 最後にこのセミナーについてのアンケートをとりました。特に良かったところ、特に悪かったところなど書いてもらいました。ほとんど全員の人が「悪いところはない」と書いてくれてとても嬉しかったです。残りの任期を考えるとこういったセミナーをするのも最後かなと思うと少々残念な気もしますが、あとは地元のNGOなどに私たちのセミナーの報告をし、ここで得た情報を生かして行ってもらえたらと思っています。

Tutaonana

(セミナーの参加者みんなで最後に記念撮影をしました。)

2009年12月20日日曜日

沈黙を破れ

Hamjambo?

 先週もまたテメケの若者たちのグループを訪問し、お芝居や太鼓の練習を何度か見に行きました。というのも、週明けの月曜にテメケの若者たち向けにHIV・AIDS、「アルコール」「たばこ」などを含む薬物防止のセミナーをするので、そのセミナーの説明などもあって、いくつかのグループを訪問して忙しく過ごしました。

(テメケの住宅街を太鼓とタンバリンを叩き歌いながら進むユースグループのメンバー。結婚式前日のお祝いのために近所の人に演奏を頼まれたそうです。)
そんななか、来年に延期すると聞いていた職業訓練校の職員向けセミナーを2日後の土曜日にするという知らせを木曜日の朝に突然聞き、木曜、金曜は大慌てで打ち合わせをする羽目になりました。何でも予定通りに行かないタンザニアですが、こんなに急に予定が前倒しになるのは自分も初めてのことで、あたふたしながらセミナーの日を迎えました。
 この職業訓練校は前回も紹介した同期の自動車整備隊員が活動をしているところで、以前に彼の生徒にHIV・AIDSの話をしたことがきっかけで、今回は職員向けに話をすることを頼まれました。この職業訓練校は全国各地に分校があるのですが、そのすべての職業訓練校の職員に対するHIV・AIDSに関するポリシーが発表されました。それに伴い各校の担当者が集められ、HIV・AIDSに関するセミナーを行い、その後、その担当者が各担当校で職員対象にHIV/AIDSにセミナーを行うこととなったそうです。
今回特に力を入れているのは「差別」の問題です。HIV・AIDSの問題に対してみなの「沈黙」をやぶり、真っ向からこの問題に取り組み、HIV・AIDSのない職場を目指そうというものです。
このセミナーではまずは「差別」の問題について話をするところから始まりました。検査に行くということ自体、やはり抵抗のある人が多いという印象を受けました。ファシリテーターとなったダルエスサラーム校の担当者による熱のこもった講義と「沈黙」を破ろうという繰り返し送られるメッセージを受けて、少しずつ参加者も発言をし始めました。
私が担当したのはHIV・AIDSの基本的な知識や検査などについての講義で、日本の状況や世界の状況についても少し話をしました。感染経路の話の中で、やはり性感染が多いことからその点に関する質問を参加者に投げかけたりしながら話を進めました。でも性の話となると、大人の人もとても恥ずかしそうにして答えてくれない人も多く、「差別」のこともそうですが「性」の話についても「沈黙」を破って皆で話し合うということを強調しないといけないのだなと感じました。

(HIVウィルスの働きを抑える効果のある薬。ARV。HIV・AIDSは完治出来ませんが、こういった薬のおかげで陽性者の人も元気に過ごすことができるようになってきたそうです。)


 今回、私とともにファシリテーターとして招かれていたのは、陽性者の女性です。 彼女は区役所のHIV/AIDSの委員会に陽性者の女性代表としてメンバーに入っており、私は彼女とは区役所で知り合いになりました。彼女はポスターの被写体となったり、ラジオ番組で話をしたりした経験もあり、陽性者ということをはっきりとカミングアウトしています。今回のセミナーで職業訓練校のHIV/AIDS担当者が「差別」の問題について話が出来る人を探していたことから彼女をその担当者に紹介しました。

彼女はすでに薬の治療を始めていますが、HIVのPositiveと診断されてから10年以上元気に暮らしています。3人のお子さんのうち、末っ子の一人が陽性者だそうで、彼女はこのセミナーで自分のことを包み隠さず話してくれました。陽性ということがわかって仕事をやめさせられたことなど堂々と自分の経験を話しました。タンザニアでもまだ自分が陽性であることをカミングアウトすることが出来ない場合が多い中、彼女は積極的にセミナーなどに出かけては自分の経験を話しています。今では彼女のお家はちょっとしたクリニックのようで、たくさんの人が彼女のアドバイスをもらいに来るそうです。すぐに病院に行く勇気がなかったり、この症状はAIDSではないかと心配になったり、色々な人が彼女を頼ってくると言っていました。

(写真に写っているこの二人と私をあわせた3人で今回のセミナーのファシリテーターを務めました。)

 今回この職業訓練校のHIV/AIDSのポリシーでは、「職員がHIVの陽性者であることを理由に解雇されない。」あるいは「採用の前に検査を強要されない。」などの文言が明記されているそうです。区役所でも学校の先生でも陽性者の人が元気に仕事を続けています。これから益々こういった職場が増えていくことが期待されます。一方で日本の状況はこの点どうなっているのか逆に気になりました。

最後に、今回は色々な人と協力してこのセミナーに関わることができ、自分もよい経験ができたし、自分の持っている人脈や知識を使って少しはタンザニアの社会に貢献できたかなと感じることのできた活動でした。セミナーの最後に、その陽性者の女性のところに寄ってきて、「実は自分も陽性者なのです。」と伝えに来た人もいたそうです。それにしても、この学校の生徒にHIV/AIDSの知識を問うアンケートをさせてもらいたいと最初にお願いしたことがきっかけでこの学校と関わりをもつことになり、ついには今回のセミナーに至りました。本当に何がきっかけで活動の幅が広がるかわからないものだと思いました。

Tutaonana 

2009年12月14日月曜日

ロード・プロジェクト

Hamjambo?

 タンザニアは12月が学年末なので、どこの学校も1月の新学期までお休みです。それとともに各地で卒業式もたくさん行われる季節になりました。同期で同じダルエスサラームにある職業訓練校で自動車整備を教えている隊員がいますが、彼の学校でも卒業式が行われ、それにも招待され少しお邪魔してきました。先生や生徒たちと仲良くやっている同期の隊員の活躍ぶりを見るのもとても刺激になります。


(卒業生によるコーラス。校歌みたいに聞こえたのですが。。。)

(同期隊員。この学校で自動車整備を教えて活躍しています。「整理整頓して整備をしましょう」「ゴミはゴミ箱に捨てよう」という自作のポスターの前で。頑張ってます!)


さて、卒業式の翌日、昨日は最近よくお邪魔する青少年グループがお芝居のコンテストに出場するというのでそれを見に行ってきました。このグループはまだ役所に登録はしていませんが、映画づくりやお芝居を中心に活発に活動しています。他のグループでお芝居がうまい人を招いては自分たちの活動を見てもらって批評をしてもらい、よいものを作ろうととても頑張っています。男女ともに人数が多く、察するにみんな仕事もほとんどないし、学校にも行っていない子たちのように思いますが、何か打ち込めることがあるというのはいいことなのではないかと思います。

 大会の前日は指導をしてくれている青年たちも遅い時間まで練習に付き合い、その日の夜はみんな一緒に稽古場(と言っても長屋の前の庭みたいなところ)で雑魚寝をして大会当日を迎えたそうです。日本で言えば部活みたいな感じですね。寝たのも外らしく、雨が降ってきたら中に入って雨宿りし、また外で寝たと言っていました。
(指導する青年たちとお芝居の練習をするグループのメンバー。ここで練習し、ここで合宿も。。。)

 お芝居のテーマは「HIV・AIDSの存在しないタンザニアは可能か?!」です。この地域の7つのグループが10分程度のお芝居を作って競い、4名の審査員が招待されていました。

この大会を主催したのはUSAID(アメリカ政府の支援)の資金を得たNGOです。この地区は大きな幹線道路沿いにある地区で、長距離トラックの運転手の出入りが激しく、彼らの中には次の仕事まで2、3ヶ月この地区で過ごす人たちもいるそうです。調査の結果、そういった人の出入りが激しく、AIDSを含む性感染症、麻薬などが外から持ち込まれる可能性が高いということで、このNGOは「ロード・プロジェクト」と呼ばれる教育プロジェクトをこの地区で展開しています。今回の大会は若者向けのプログラムの一環で行われたようです。

まず、驚いたのは、それぞれのグループが活動している地域はそれほど広範囲に渡る地域でもないのに、当初は10グループがこの大会に参加を申し込んでいたようです。結局7つに減りましたが、タンザニアの人たちのお芝居好きと役者ぞろいがうかがえます。ダルエスサラーム中を見たら、たぶんものすごい数のグループが存在すると思います。

(大会会場での発表。くじ引きの結果トップバッターで演技をしました。)
こういう大会がAIDS啓発にどれだけ役立っているかについては、そこそこインパクトがあると感じます。演技力や構成とともに、どのグループもHIV/AIDSについてのメッセージを、観客に対しいかに正しく伝えられたかが審査の大きなポイントになっています。どの参加者もよいお芝居を作るにはHIV/AIDSの正しい知識が必要です。ただ、行動がどれだけ伴っているかについては疑問に思うのも事実です。

さて、応援しに行ったグループの結果については残念ながら入賞を逃しました。素人目にみると、なかなかいい線行っていて、3位ぐらいにはうまく入れるかと期待しましたが、彼らにとっても初めての大会参加でそう簡単にはいかないようでした。でもみんなやり切った達成感のようなものを感じているようでした。1位はパントマイム的なお芝居をしたグループで、HIV・AIDSを恐れているにも関わらず、誘惑には勝てない男性を演じていました。

最後に、この大会に入賞するとちょっとした賞金が出たのですが、うわさによると1位になったグループは審査員と密な関係にあったとか、なかったとか。。。スポーツのようにはっきりした点数で競うものでもないので、公平な審査がさらに難しくなります。特にこの国だから難しいというのも否めない事実のように感じます。HIV・AIDSとともに、賄賂もこの国では国家として取り組む重要課題となっていたのを思い出しました。

Tutaonana

2009年12月4日金曜日

Music, Dance and Play in Tanzania


Hamjambo?

先日12月1日は世界エイズデーで区役所主催のイベントがあり、そこに行ってきました。たくさんのグループ、NGOなどが参加しており、今年は会場でたくさんの人に声をかけられ、この1年で随分知り合いが増えたことを実感した一日でした。
(世界エイズデーのテメケ区役所イベント。たくさんの団体がバナーを持って行進しました)


タンザニアでは「○○の日のイベント」あるいは「○○のキャンペーンイベント」というものがとても多いように感じます。「世界エイズデー」はもちろんのこと、「世界平和デー」「女性デー」、「青少年デー」など、それに加えて国の独立記念日なども大々的にお祝いします。キャンペーンも色々あるようで、エイズ関係のもの、ジェンダーに関するもの、マラリアなどの保健関連のものなど色々なキャンペーンの話も聞きます。そしてこういったイベントごとに欠かせないのが、ンゴマ(太鼓などの伝統楽器の演奏と踊り)とお芝居です。

(ンゴマのグループ。世界エイズデーにて)

12月1日の世界エイズデーでもンゴマ、お芝居などが披露されました。この日のンゴマ(太鼓と踊り)は10人ぐらいの大人数のグループでしたが、衣装が個性的で元気なグループでした。お芝居は病院に行ったりしても病状が良くならない子どもを呪術師のところに連れて行く母親の話でした。訪問看護のグループの人が薦めても子どもを病院に連れて行こうとしないというものです。
(世界エイズデーのお芝居。左が呪術師の役の人)

先日は「税金支払いデー」とでもいうような日があり、その日もイベントが開かれました。知り合いのユースグループがこの日、お芝居と太鼓の仕事を請け負ったので見に行きました。ここでも来賓が来るまで、伝統的な太鼓なども入れたバンドの演奏があり、ボーカルの人が「税金」をテーマにしたらしい歌を歌っていました。伝統ンゴマの演奏と踊りももちろんあり、そのあと、友達のユースグループの人たちが「税金を払うことに寄って福祉施設などの充実が図られる」ということをテーマにしたお芝居をしました。
 

(「税金を払おうキャンペーン」?!のイベントでのお芝居の様子)

私の活動しているテメケ区はこういった伝統ンゴマの演奏、踊りやお芝居だけで生活を立てているひとがちょくちょくいるように感じます。有名なアーティストの多くもテメケ出身者が多いと聞きます。最初、こういった芸術だけで食べていけるのか疑問に思いましたが、最近はなんとなくそれも可能なのかもしれないと感じます。というのも、国レベル、県レベルのイベントだけでなく、家族のイベントなどでも音楽が欠かせない国だと感じるからです。つい数日前、ユースグループのメンバー2人が「今から仕事に行く」と急に言い出し、何かと思ったら近所に住む女性たちから太鼓の演奏と歌を頼まれたらしく見学させてもらいました。

(右のほうで歌を歌っている少々長髪の男性が有名なアーティストで、テレビでもお見かけします)

その女性たちは友達が子どもを産んだのでみんなで贈り物を届けに行くのだけれど、それにBGMが必要ということらしかったです。彼らの「仕事場」に行くと、「待ってたんですよ!」と楽しげに話しをする女性たちが10人ほど集まっています。女性たちが2人の青年に少しばかりのお金を渡し、皆で友達の家に向かって歩き出すと、青年たちは太鼓とタンバリンを叩きながら歌を歌い始めました。と思うと、みんなそれにあわせ歌いだします。皆で青年2人の演奏と歌に合わせ、歌い踊りながら子どもを産んだ友達の家まで細い路地を通りながら進んでいきました。

文章で書いてしまうと味気ないのですが、とても幸せなシーンでした。みんな歌いながら嬉しそうで幸せそうで弾んでいる感じとでも言うのでしょうか。太鼓の演奏にあわせてみんなで歌い踊りながら進んでいくと、途中でだんだん人数が増え、目的地の家に着くと人数が倍以上に増えていたように思います。近所の子どもたちも寄ってきて、家の前の狭い路地でも皆でひと踊り。このお家にはCDデッキらしきものがあり、ここで音楽はCDにバトンタッチ。ここで青年たちの仕事終了。時間にして正味20分ぐらいでしょうか。

 毎日とは行かないでしょうがこういう仕事がちょくちょくあるようで、ちょっとしたお小遣いにはなります。若い人たちの仕事がなかなかないと言われているなかで、演奏が上手だと評判になればちょっとした小金が稼げるようです。

 これからCDなどを利用する人も増えるのかもしれませんが、貧しい人もまだまだ多く、電気がない家も多いし停電もなくならないという状況の中、しばらくはこういう仕事もなくならないだろうと思いました。

Tutaonana