2009年6月26日金曜日

ちゃんがもと・ちゃりてぃ・まらそん・ぷろじぇくと

Hamjambo?

 今週は隊員総会や報告会があり、同期隊員がダルエスサラームに集まりました。私たち20年度1次隊はタンザニアに来てちょうど1年経ち、全員が無事に活動を続けています。昨日は一周年記念ということで同期で夕食を食べに行き、とても楽しい時間を過ごしました。
 さて、この日曜日はVodacom 主催のダルエスサラーム・マラソン大会が開かれました。スタートとゴールは自分の配属先の目の前にある国立競技場。今回、私は5kmのレースに参加し、自分の生活圏であるテメケ区役所周辺をFun run!! 友人や近所の人、見慣れた風景に応援されながら、楽しく5kmを走りきりました。

(日本人、タンザニア人、みんな賛同ランナー。調子に乗ってオリジナルTシャツも作ったので、何人かはおそろいのTシャツ着ています。)

 実はこのマラソン大会にからめ、他の隊員と二人である計画をすすめてきました。名づけて「ちゃんがもと・ちゃりてぃ・まらそん・ぷろじぇくと」。略してCCM-P。(一応、こちらの第一党与党のCCMにかけてます)

このプロジェクトの中身は、たくさんの隊員や日本人関係者やタンザニア人と一緒に大会に参加し、同時にタンザニア社会に還元する募金も集めちゃおう、というものです。集まった募金の支援先は2つ。1つは私がこのブログにも書いたBuza小学校、もうひとつは一緒にこの企画をした隊員の配属先である、WAMATA「エイズと闘う人々」(エイズ関連NGO)にある職業訓練校です。

本プロジェクトの趣旨を以下のように友達の隊員と話し合って決め、それをみなさんにお伝えしました。

① 私たち日本人がタンザニアで行われるスポーツイベントに参加し、タンザニア生活を楽しく充実したものにする。
② 現地の人たちとの交流を深める。
③ このイベントを通じて寄付を募り、タンザニア社会に還元する。
④ このイベントを通じ、各自が新たな活動やタンザニア社会への貢献の方法を考えるきっかけとする。


                

(趣旨や支援先を説明するためのパンフレットやマラソンコース案内の地図も作成しました。)

この呼びかけをうけて、大会当日、日本人30人、タンザニア人11人が私たちの趣旨に賛同した「賛同ランナー」として一緒に参加してくださいました。日本人は隊員、JICA関係者、大使館関係者など、タンザニア人はBuza小学校やWAMATAの関係者、スワヒリ語の先生などです。色々な人がひとつにあつまり、みんなで大会に参加し、お互い応援し合い、励ましあい、とても楽しい時間となりました。日本人同士でも普段は話をする機会がなかったり、隊員同士でも隊次が異なるとなかなか話をする機会がなかったりすることもあり、この企画で日本人同士も仲良くなれたような気がします。タンザニア人の賛同ランナーの人たちも楽しそうでした。Buza小学校の学校評議委員の1名は55歳の部で入賞し、賞品をもらっていて大満足。思いがけないことに驚きながらもみんな喜んでいました。

結果、5kmは全部で32人の賛同ランナーが、そして21kmは全部で9名の賛同ランナーが完走しました。目標としていた5km賛同ランナー15名完走と21km賛同ランナー5名完走を達成することができました。これをうけて、寄付の1口に金額を設定するという企画にしたので、その日の夜は仲間の家に泊まって寄付額の連絡の準備です。わかりにくい、とあまり評判はよくなかったのですが、「走ること」と「募金集め」をリンクさせたくて、次のように1口額を決めました。(日本からの寄付は基本的に受け付けていません。)

①  5km完走ランナーの人数 × 1,000TSH = 寄付金額
 (但し、①の寄付最高額は目標の15名達成をもって1口、15,000tshとします。)

②  21km完走ランナーの人数 × 5,000TSH = 寄付金額
(但し、②の寄付最高額は目標の5名達成をもって1口、25,000tshとします。)

③  賛同ランナーの完走した総距離に対して1kmにつき500TSHとして計算した額を寄付金額
 5km × 15名 = 75km    21km × 5名 = 105km
   (75km+105km)×500TSH=90,000TSH (寄付額)
(但し、③の寄付最高額は完走ランナーの目標人数をもって1口、90,000tshとします。)

④  趣旨に賛同、ランナーの頑張りに対して任意でのご寄付

この日のために一緒に企画をした仲間の隊員の家に泊まっては準備を続けてきました。毎日遅くまで連絡とりあったり資料を作ったり、5kmしか走ってないけど正直ちょっと疲れました。


(スタートとゴールは国立競技場。配属先の目の前にあります。携帯電話会社主催なので、どこもかしこも会社の名前が。。。)

大会後に行われた隊員総会や邦人のための安全協議会の場で寄付の連絡をする機会も頂き、たくさんの人たちの暖かい支援を頂きました。これからが責任重大です。皆さんの暖かい気持ちのこもった寄付を、必要としているタンザニアの人たちに責任を持って届けたいと思います。

Tutaonana

2009年6月19日金曜日

教員セミナー:道徳・生徒指導編

Hamjambo?

 6月の初めから7月初めまで学校がお休みです。学校へ行く回数も減り、オフィスでやれる仕事を片付けようと、今日は一日お絵かき。職場のママに頼まれた保健衛生教育の教材です。なかなか大作で時間がかかりました。
   (本当に使ってくれるのか不安ですが、今回は遠慮がちに右下に小さく自分の名前を入れました)

さて、昨日までの3日間、学校が休みの時期を利用して教員のセミナーが行われました。今回は、いわば日本の感覚で言えば、「道徳」か「生徒指導」の教員研修といったところです。タンザニアでは新カリキュラムが始まって数年になり、その中に「スポーツと人間形成」という新科目が設置され、これが道徳的な内容を含んでいます。ですが教科書もあまり出回っていないし、先生も教えたことがないという状態のようです。今回の研修で私も初めて「スポーツと人間形成」の教科書を拝見しましたがタンザニア人の先生の中にもそういう人が少なからずいました。

今回のセミナーに参加し、ひとりの日本人の教員として大変勉強になることがたくさんありました。教員の仕事の共通点、普遍性を感じました。

あまりよい話ではありませんが、この「人間形成」は算数や英語、スワヒリ語などの主要科目に押しやられ、テスト前で範囲を終わらせないといけないなどの理由で授業が行われなかったりする現状が報告されました。うーん、この状況、考え込んでしまいました。

この研修全体として「道徳」というよりどちらかというと「ライフスキル教育」についての視点で話が進んでおり、初日の前半はその概論が説明され、後半は「生徒の問題行動とそこから学ぶこと」について話し合いをグループで行いました。私のいたグループの雑談で、親が子どもに「食べ物がないから自分で探してきなさい。」と言って体を売ることを薦めているという話も出ました。なんかとても重かったです。

                 (グループでの話し合い。みなさん真剣です。)

翌日はグループでの模擬授業の準備と発表でした。私たちのグループは「権利と義務」についての授業案の立案です。「権利と義務」のほか、「危険な行動」というトピックもあり、全部で5つのグループが発表しました。

この模擬授業がとても面白かったです。参加者が生徒役で各グループの代表者が授業をしたのですが、日本と同じでそれぞれの先生の個性が様々で楽しかったし、一方で、日本と違って歌をたくさん使うので「権利についての歌」みたいなのを歌ったり、とても勉強になりました。

           (みなさんさすがプロと言う感じ。人前で話しをするのはお手の物)

なかでも「危険な行動」の模擬授業をしたグループは、問題行動として、酒、タバコ、ばくち、薬物などとともに、「服装の乱れ」をあげていました。あるグループの模擬授業では「最近の男子生徒はズボンをこんなに下げている!!」「女の子はスカートが短い!」と先生が大パフォーマンスで訴えていて自分の中でものすごくウケました。女子生徒のスカートの短さは日本と比べ物にならないですが、同じことを日本で言っていたこと思い出し、同業者だなぁと一人でしみじみしていました。
(最終日に自作教材の発表がありました。私も小さい紙に絵を描いていきました。教育を受ける権利などが表現されています。)

そのあとのファシリテーターからのコメントもすばらしく、教員として日本に帰ってからも今後の授業に生かしたいと思うようなよい話がきけ、とても勉強になりました。ファシリテーターから厳しいコメントもあったものの、タンザニアの先生方は基本的に授業がとても上手だと常々思っていましたが、今回もまたその印象を強くしました。

協力隊でタンザニアに来て、こちらの先生を助けるって考えは本当におこがましく、こちらが学ぶことばかりです。

Tutaonana

2009年6月14日日曜日

職業訓練センター:短期コース卒業式

Hamjambo?

 あっという間に6月。今月はまたマラソン大会があります。今日はBuza小学校の校長先生と近所を一緒に早朝ランニング。ご近所さんの校長先生は待ち合わせ時間にちょっと遅れてすごい勢いで走ってやってきました。(笑)校長先生とほかにも4人の先生が一緒に大会に参加します。楽しみです。

さて、先週になりますが、いつも行く職業訓練センターの3ヶ月コースの卒業式がありました。テストのあと卒業式までは授業もなく、みんな歌や劇、披露する作品の製作に追われていました。家具やケーキなどのお菓子や石鹸などなど、たくさんのものがお披露目のために用意されました。
               (区長のサイン入り、修了証書を受け取る生徒たち)

卒業式当日。NGOかどこかの援助があったようで、結構盛大に行われました。その中で女子生徒だけの劇が披露されたのですが、みんな本当に役者ぞろいで大いに盛り上がりました。男性の役もすべて女子生徒。タンザニア版宝塚のようなかんじで男役のかっこいいこと!
  (お披露目のためにつくられた生徒の作品。先生が手を出しすぎと思われるものも少々あり。。。)

しかし、演じた話の内容をみると、彼女たちの間近に差し迫った問題や育った環境の厳しさを感じます。話の内容は、簡単に言えば女子学生がお金欲しさに援助交際的に体を売り、妊娠し、最後に両親に許しを請うが両親は許さないというものです。教訓としてそういうことはやめましょうということなのでしょうが、途中の演技はあまりにもリアルな時もあり、彼女たちの現実を垣間見たような気がしました。それでも最近は小中学生の妊娠問題もダルエスサラームではだいぶ少なくなったと聞きました。ですが、二股、三股、はたまた援助交際はまだまだなくならないのが現状のようにも感じます。


           (卒業式の会場は屋外。最後はオープンディスコ状態。みんな踊りまくりです。)

そんな中、一方で一途に一人の女性を追いかけたからなのか、別れ話を切り出された男子学生が交際相手の女子生徒を刺し殺すという事件が起き、大きなニュースになりました。まるでどこかできいたことあるような話です。国は違えど、どこも一緒かなとも思います。

Tutaonana