2008年9月6日土曜日

エイズとともに生きる



Hamjambo!

日本では夏休みが終わり、2学期が始まったところですね。こちらはそんなことはありませんが、小学校の最終学年(Standard 7)の全国統一テストが9月10日、11日にあるので、私の所属する教育課もテスト関連の会議やセミナーで大忙しです。

さて、タイトルに書いた「エイズとともに生きる」ですが、タンザニアでは15歳から49歳までの成人の感染率はおおよそ7%と言われており、とても身近な問題と言えます。100人に7人は感染している、という事実。母子感染による子ども、そして50歳以上の人を含めたら一体どうなるか。。。
               (エイズ対策の政策を子ども向けに説明しているパンフレット)



私が仕事をしているテメケ区にも多くのエイズ患者さんがいらっしゃると考えられます。また、患者さんを支援しているグループもたくさんあります。先日、そういったグループで活動する人たちに連れて行ってもらって、患者さんのお家を何軒か訪問しました。支援しているグループの人たちも多くはHIV感染者です。ですが彼らはとても元気で明るく、今は薬の発達でエイズは必ずしも「死」を意味する病気ではなくなったことを実感しました。自分たちは薬の治療によってとても元気になったので、ひとりでも多くの人たちが自分たちのように元気になってほしいと活動しているそうです。

誤解を恐れずに言うと、病気による苦しさだけについては、エイズと同じように大変な病気はいくらでもあるように思います。ただ、この病気についてはまだ偏見や差別も残っていることがひとつ大きな問題なのではないかと思います。その点でいうと、タンザニアのほうが日本よりも理解が進んでいるのではないかと思うこともあります。感染者同士の結婚への理解や学校や学校外でのエイズ教育もかなり進んでいるように思います。

さて、こんな話がありました。

 ある患者さんのお家を訪問した時に、7,8歳の子どもがいたのですが、母子感染により彼女も感染者だと説明されました。そのため、小学校へ行く年齢にも関わらず、その学校の先生から入学を拒否されたというのです。そして、その話を聞いている場に一緒にいたタンザニア人たちが、「こういう感染者の子どもたちのために特別な学校を作ってくれ!」というのですが。。。みなさんはどう思いますか?

 私は別の学校を作ることが解決策だというのはおかしいと思いました。「どうして拒否されるの?」と尋ねると、「そういう病気だから。」という返事。「もし、先生が拒否したと政府や教育課が知ったらどうなるの?」と私。。。返事ははっきりしません。ということで、教育課で尋ねることになりました。

病気が理由だけでそんなに簡単に拒否されるはずはないとは思いましたが、この国ではありえるのか。。。と恐る恐る尋ねると、私の同僚は「そんなこと絶対にあるわけない!連れてらっしゃい。私が学校に行けるように手続きします。」というお言葉。

後日、子どもとお母さんがやってきました。結果としては、子どもがまだ治療が必要なことと、子どもがまだ幼く、他の子どもを傷つけたりする恐れがあるので、ある程度子ども自身が状況を理解できるようになったという医者の証明書が必要だそうで、すぐには学校には行けないということでした。ですが、そういった手続きを踏めば近所の子どもたちと同じ学校に行くことができるそうです。

 感染者の人たち自身が「別の学校を作ること」を解決策と言ったのは少々残念でしたが、今回のことで何か少しでも心に残ることがあればいいなぁと思いました。

         (パンフレットより。何をしたらエイズに感染するかをクイズにしたページ)

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

エイズ教育って大事ですよね。すごくわかります。
 少しずつ活動がすすんでるようですね。polepoleがんばりましょう。

Unknown さんのコメント...

がんばってますね。
いろいろ考えさせられる内容ですが
確かに別の学校を作るのは間違ってるよね。
それこそ差別の温床になりそうで。
その子、学校行ける様になってよかったね。
どうして行ける様になったか、
いつかきちんと理解して感謝する日がきっとくるよ。

hana さんのコメント...

くろさん、こんにちは。
そちらの活動はいかがですか?自分ができることは本当に少ない毎日です。やっぱりこちらはエイズで親を亡くした子もたくさんいます。本当にpolepoleで頑張りましょう。

yuzoさん
ブログ、読んでくれてありがとう!!
自分もエイズに感染しているとはっきり表明している人に出会ったのは初めてで、色々考えさせられました。日本はどうなってるのかしらね。みんな自分だけは感染しないとどうしても思ってしまいますよね。
色々これからもブログでもこちらの様子をこれからも伝えていきますね。