そろそろ小雨季に入ったようで、ちょくちょく雨が降ります。念願のソーラーパネル設置の件は約束の日から数日遅れたものの、なんとか工事が始まり今日明日には終わる予定です。やる気になれば出来るものです。
さて、「ユニセフ親善大使」と言えば「黒柳徹子さん」というのが日本での常識。でも世界には何人かのユニセフ親善大使がいて、先日その中の一人であるアンジェリーク・キジョーさんがテメケにやってきました。彼女は西アフリカ、ベナンの出身で現在はアメリカで活動をしている歌手です。自分も全然知らなかったのですが、有名な方だったらしく(本当に失礼ですよね)テメケの若い子たちに聞くと知っているし、彼女がタンザニアに来た後、携帯電話会社の宣伝用ポスターにデカデカと写真が写っていてびっくりしました。彼女はアフリカ出身の女性として特に途上国、アフリカの女子教育に関心がありそういった面で活動をされているようです。
(左が電気コースで学ぶ数少ない女子生徒と励ましの言葉を述べるアンジェリーク・キジョーさん)
アンジェリーク・キジョーさんは、私がいつも行っているテメケの職業訓練センターと机を送ったブザの小学校の生徒のうち、子どもを産んだ女生徒たちと直接話をしました。自分もあまりよくわかっていなかったのですが、職業訓練センターでよく顔を見る生徒たちの中にも子どもがいる生徒がいることを今回知り、びっくりしました。彼女たちはこの日、自分の子どもたちを学校に連れてきていたのですが、生徒たちも若いのに結構大きい子どもがいる生徒もいてさらに驚きました。
ブザでは女生徒の家にみんなで行き、庭先で近所の人や地域の役人、校長先生なども集まり、子どもを産んだ女子生徒が学校へ戻ることについてどう思うか、とか、さらには子どもの教育について意見を交換しあいました。子どもの教育については、最近テレビやビデオの影響で子どもたちの情報が増えていることや帰りが遅かったり就寝時間が遅くなっていることについても話がおよび、親からの話で「最近の子は親の言うことを聞かない。」とか「学校の先生がもっと子どものことを見て欲しい」などの意見も出て、どこも同じなんだなぁと感じました。それに対してアンジェリーク・キジョーさんが「親がしっかりと子どもが何をしているか見ないといけない。」「学校と親が協力するべきだ。」「政府の責任とか言っているよりまずは地域が協力して子どもを見ないといけない。」などなどと意見を述べられ、これも全く同感と思いながら聞かせて頂きました。
ほかにも、「最近帰りの遅い子どもも多くて、自分たち親が寝た後に帰ってくるから子どもが何をやっているかわからない。」だから子どもが妊娠したりしても分からないというようなことを言った人がいました。これに対してアンジェリークさんが「毎日最後に家の鍵を閉めて子どもがいるか確認するのは親の役目。」と発言され、これにも同感。最後に「アフリカのよき伝統が失われて、先進国の悪い部分をまねている。」という話がでました。
タンザニアにはまだまだ発展途上の部分もある一方で、車やテレビ、ビデオ、インターネットに携帯電話と言った新しいものがものすごいスピードで普及するにつれ、便利な部分が増えるけれど青少年への影響などのマイナス面をどう克服していくかがこれから益々大きな課題になっていくのだと感じました。それとともに、教育問題は世界共通だとあらためて感じました。
Tutaonana
Angelique Kidjoさんについての情報は以下です。
http://www.unicef.org/people/people_angelique_kidjo.html