このところたくさんの人に毎日会っている気がします。最近出会ったポト君はテメケ区役所に派遣されていた歴代の隊員を良く知り、彼らから日本の歌や音楽について教えてもらった日本通?の一人です。先日私のオフィスを訪ねて来てくれ、以前の隊員からもらった「アンジェラ・アキ」のCDを見せてくれました。
彼はタンザニアの伝統的な太鼓、「ンゴマ」の演奏が上手ですし歌もうまいので、先日も国連大使夫人の前で歌と演奏を仲間と一緒に披露しました。とうことで、色々な楽器にも興味があり、葉加瀬太郎の「情熱大陸」もヴァイオリンの演奏が気に入ったと言っていました。
今日は彼が仲間と一緒に市場にある広場で演奏するというので一緒に出かけました。演奏の目的はエイズ啓発です。しばらく太鼓、マリンバなどの演奏とダンスをみんなで披露しているとたくさんの人たちが集まってきます。すると、今度は劇が始まります。内容はある女性が3人の男性と付き合っているという話とある男性が3人の女性と付き合っているという話。そして男性はエイズの検査をしていないけれど、女性たちはその男性と付き合いたいというものです。劇の最後にメンバーが「この地域にもこんな風にたくさんの人と付き合っている人はいますか??」と尋ねると、みんなが「いる、いる!!」と答えます。そしていきなり、広場でメンバーと観客との道端ディスカッションが始まります。
タンザニアではイスラム教の影響もあるのでしょうが、奥さんが2人、3人いる男性が結構います。また女性も何人ものボーイフレンドがいたりすることもあるように聞きます。エイズ啓発の雑誌などを見ていても、男性がお金や物を女性にあげたりして性的関係を持とうとする話や何人もの人と性的関係を持つ人の話はよく載っています。ここではエイズ防止について、まず「パートナーは一人にしましょう」という教育が先決と考えられています。これに関してはすごく文化の差を感じるときがあります。
さて、ディスカッションはどうだったか後でメンバーに聞いてみると、「コンドームは使いたくない!」と言っていたとか、「パートナーが一人だけは無理」とか言っていたようで、エイズの危険性や感染経路は知っていても行動に移さない人も多そうな様子でした。
それにしても演奏した青少年グループの活動はとてもチャレンジングだと感じました。よい活動に参加できたなぁと考えながらの帰り道。喉が渇いてソーダを買って飲みながら近くにいたおじさんと話をしていると、彼も奥さんが2人いることが判明し、なんだか文化、習慣の壁が大きいことを感じました。