2008年9月21日日曜日

タンザニアの食べ物

Hamjambo!

ラマダンも中盤を過ぎ、自分の住んでいる場所の近くに大きなモスクがあるので、このところ夕方になると道路にたくさん車が停まっているのを目にします。夜の10時ごろから太鼓や歌が始まったり。。。にぎやかな夜です。こちらでは、断食を途中であきらめた人のことを、「Kobe(カメ)」と呼ぶようです。同僚の説明によると、「カメは何でも食べるからだ。」ということですが、本当かなぁ。。。職場にはキリスト教徒の人も居ますから、断食している人の前でチャイをしようとすると、「カメになったのね。」と言われてしまいました。お水も日が暮れるまで飲みませんから大変ですが、イスラム教徒の人には「慣れたら大丈夫。やってみたら?」と言われます。

さて、タンザニアでどんな食事をしているのか気になる人も多いのかもしれませんね。こちらは、野菜や果物も豊富ですし、ダルエスサラームは海が近いので魚介類も採れます。主食はウガリ、米、バナナ、ジャガイモなどなどです。お米も結構食べますし、お店に行っても普通にお米が食べられるので日本人としては有難いです。
(野菜や果物、どこでもだいたい手に入ります。道端で売っている人も多いです。)

 肉類は牛、鳥が中心です。イスラム教徒がいるので、豚肉は売っているところが全く別になっていますが、レストラン等でも結構食べられます。あとはヤギ、羊もあります。値段は牛が一番安くて鳥や魚は値段が高くなります。

タンザニア人に「好きな食べ物は?」と尋ねると、多くの人が「ウガリ」と答えます。お米もいいけど、やっぱりウガリみたいです。(トウモロコシの粉をお湯で伸ばしてこねたもの。ちょっとお餅みたいです。)野菜はトマト、キャベツ、にんじん、ジャガイモ、サツマイモ、ナス、オクラ。。。大体なんでもあります。葉っぱ物は、ムチチェと呼ばれる「ほうれん草」みたいなのや、チャイニージと呼ばれるちょっと白菜っぽいのがあります。ムチチェは油でいためて塩で味付けしたものが、必ず食事のつけ合わせで出てきます。 (タンザニア人のお家でご馳走になりました。彼女の住む地域はウガリよりお米をよく食べるそうです。)

 味付けは何でも塩、塩、塩です。塩だけですが、油でいためて、ココナッツミルクなどをいれてトマトで煮るとコクが出て、とても塩だけで味付けしたとは思えず結構おいしいです。塩分と油のとり過ぎに気をつけないといけないと感じるこの頃です。でも何でも醤油で味付けしていた日本の生活を考えると、塩分に関して言えば日本とそれほど違いは無いのかもしれません。ですが、やっぱり12月の健康診断がちょっと恐怖ですね。

Tutaonana

(お店で食べた、ウガリと鶏肉。2500シリンギです。ちょっときれいで高めです。日本円で250円から300円ぐらいです。)

2008年9月13日土曜日

小学校修了試験

Hamjambo

 9月に入り、タンザニアでもラマダンが始まりました。この頃は “Umefunga?”「あなたは閉じてる?(断食してる?」というのが挨拶のひとつになっています。

そんな中、9月10日、11日は小学校7学年の全国統一テストがありました。小学校の最終試験で、この結果が中等学校への進学を左右します。
「日本でも試験はあるの?」とよく聞かれましたが、小学校4年生でも進級試験があるタンザニアと日本では全く様子が違うと思いました。

私の所属する教育課でも、8月の下旬からこの試験の関係の会議、セミナー等々、役所の人たちはとても忙しそうでした。そしてテスト当日は朝の4時頃には皆さん職場に来て、それぞれ担当の学校の視察に回っていていました。試験は不正等々を避けるため、警察なども介入し、とても厳重な監視の下に行われますので、私はお留守番でした。

 新聞の報道によると、今年度は全国で1,047,200人の生徒が試験受けることになっています。なんと、これは前年度比31.87%増だそうです!!今年度は2002年から始まった小学校全入学を推進する政策(The Primary Education Development)によって、年齢が上の生徒たちも小学校に入学している学年なので生徒がとても多いそうです。

 こういった教育政策の成功を報道する記事がある一方、学校を途中で辞めてしまう女子生徒の問題が取り上げられています。地方で特に多いようですが、小学校で妊娠してしまう生徒、十代での結婚、学校が遠い、十分な寮が無い、家庭が貧しいための児童労働、などなどの理由で女の子のほうが男の子よりも多く学校を途中で辞めてしまうそうです。男女あわせてですが、約30%の生徒が小学校を修了せずに辞めているといわれています。これから中等学校拡大の政策により、中等学校へ進学する生徒が大幅に増加すると予想されますが、彼らがうまく中等学校教育を修了できるかが今後の課題かもしれません。
(試験が終わって喜ぶ生徒の写真が載った新聞。その下の記事は試験が盗まれ、逮捕者が出たことがかいてありますが。。。。。)

 しかしながら、タンザニアでは「教育こそが貧困から抜け出す道である」、「教育はすべての基礎である。」等々の表現を新聞の中でも多く見ます。この国では今、教育の質の向上も含め、教育に力を入れていることが伝わってきます。そういう意味で、未来への希望を感じます。

机はないし、教科書もない、教室には生徒が溢れ、水やトイレの設備も整っていない学校もあり学習環境はよくないですが、子どもたちはとても明るく元気で、自分も学校へ行くと元気がでます。それはもう、楽しいですよ。

来週また学校へ行ってきます。

Tutaonana tena.

2008年9月6日土曜日

エイズとともに生きる



Hamjambo!

日本では夏休みが終わり、2学期が始まったところですね。こちらはそんなことはありませんが、小学校の最終学年(Standard 7)の全国統一テストが9月10日、11日にあるので、私の所属する教育課もテスト関連の会議やセミナーで大忙しです。

さて、タイトルに書いた「エイズとともに生きる」ですが、タンザニアでは15歳から49歳までの成人の感染率はおおよそ7%と言われており、とても身近な問題と言えます。100人に7人は感染している、という事実。母子感染による子ども、そして50歳以上の人を含めたら一体どうなるか。。。
               (エイズ対策の政策を子ども向けに説明しているパンフレット)



私が仕事をしているテメケ区にも多くのエイズ患者さんがいらっしゃると考えられます。また、患者さんを支援しているグループもたくさんあります。先日、そういったグループで活動する人たちに連れて行ってもらって、患者さんのお家を何軒か訪問しました。支援しているグループの人たちも多くはHIV感染者です。ですが彼らはとても元気で明るく、今は薬の発達でエイズは必ずしも「死」を意味する病気ではなくなったことを実感しました。自分たちは薬の治療によってとても元気になったので、ひとりでも多くの人たちが自分たちのように元気になってほしいと活動しているそうです。

誤解を恐れずに言うと、病気による苦しさだけについては、エイズと同じように大変な病気はいくらでもあるように思います。ただ、この病気についてはまだ偏見や差別も残っていることがひとつ大きな問題なのではないかと思います。その点でいうと、タンザニアのほうが日本よりも理解が進んでいるのではないかと思うこともあります。感染者同士の結婚への理解や学校や学校外でのエイズ教育もかなり進んでいるように思います。

さて、こんな話がありました。

 ある患者さんのお家を訪問した時に、7,8歳の子どもがいたのですが、母子感染により彼女も感染者だと説明されました。そのため、小学校へ行く年齢にも関わらず、その学校の先生から入学を拒否されたというのです。そして、その話を聞いている場に一緒にいたタンザニア人たちが、「こういう感染者の子どもたちのために特別な学校を作ってくれ!」というのですが。。。みなさんはどう思いますか?

 私は別の学校を作ることが解決策だというのはおかしいと思いました。「どうして拒否されるの?」と尋ねると、「そういう病気だから。」という返事。「もし、先生が拒否したと政府や教育課が知ったらどうなるの?」と私。。。返事ははっきりしません。ということで、教育課で尋ねることになりました。

病気が理由だけでそんなに簡単に拒否されるはずはないとは思いましたが、この国ではありえるのか。。。と恐る恐る尋ねると、私の同僚は「そんなこと絶対にあるわけない!連れてらっしゃい。私が学校に行けるように手続きします。」というお言葉。

後日、子どもとお母さんがやってきました。結果としては、子どもがまだ治療が必要なことと、子どもがまだ幼く、他の子どもを傷つけたりする恐れがあるので、ある程度子ども自身が状況を理解できるようになったという医者の証明書が必要だそうで、すぐには学校には行けないということでした。ですが、そういった手続きを踏めば近所の子どもたちと同じ学校に行くことができるそうです。

 感染者の人たち自身が「別の学校を作ること」を解決策と言ったのは少々残念でしたが、今回のことで何か少しでも心に残ることがあればいいなぁと思いました。

         (パンフレットより。何をしたらエイズに感染するかをクイズにしたページ)