タンザニアでは新学年が始まりました。任期も2ヶ月を切りタンザニア生活もあとわずかですが、帰国前になんとか少しは憶えたいと思って去年の後半から太鼓を教えてもらっています。基本のビートをいくつか教えてもらってひたすら叩き続けるのですが、私が太鼓を叩いているとそれにあわせて周りの人たちが太鼓や他の楽器を演奏したり歌を歌ってくれるのでとても気分がよく、ちょっと楽しくてやめられません。
(皆で練習していると近所の子どもたちも集まってきます。周りの人が上手なので、一緒にやっていると自分もうまくなった気分に・・・)
(この子はあんまり笑わないのに、太鼓を触ったり叩いたりするときだけにっこりします。将来は彼も太鼓を叩いてるのかもしれません。)
さて、学校に到着してまずは教員住宅のソーラーシステムの様子を見に行きました。予算の都合もあって3棟ある教員住宅に同じような規模のシステムをつけることはできず、一軒だけにテレビも見ることが出来る大きなシステムをおきました。テレビを見たければ共同購入して一緒に見てもらおうという考えです。各教員住宅のソーラーシステムは異なるので使うことのできる電気器具も異なることは設置前に教員側と話をしていたはずなのに、行ってみるとその辺り忘れていて仕方なくもう一度説明し直しました。
でも、基本は電灯、携帯電話の充電、ラジオの使用ぐらいはできます。これまで先生たちは携帯電話の充電のために7~8キロ離れた村まで行っていたようです。こういう村でよく起こるのは都会育ちの先生たちが村の生活に耐えられなくて学校を辞めてしまうことです。先生が来なくなってしまうと当然子どもも学校に来なくなってしまいます。実際、タンザニアでは小学校の先生は9割方女性なのに、この村の小学校は生活環境が大変なせいか教員は全員男性です。校長先生のみが地元に家を持って住んでおり、ほかの先生たちはみな教員住宅に住んでいます。
(写真が悪くてすいません。椅子の上に教科書が載っています。その横には携帯電話がたくさん!村の人たちがお願いに来るそうです。)
校舎にもシステムを置きましたが、将来的にはテレビを村人の寄付や役所からの支援で共同購入し、子どもたちの教育はもちろん、村人の集まる場となることが期待されます。今のところは村人がこぞって携帯電話の充電をお願いにくるようで、バッテリーの近くにたくさん携帯電話が置いてありました。この小学校の子どもたちにHIV・AIDSの知識について調査したことがありますが、基本的な知識が欠けていると感じました。ラジオぐらいは聞けるでしょうが、新聞も買うことができないし、メディアが十分に届いていない僻地ならでは問題かと感じました。
今回のシステムの設置資金は役所と小さなハートプロジェクトを通じて全国電力関連産業労働組合総連合様からの寄付でまかないました。校舎見学が終わったあとには子どもたちに日本からの寄付について、「電力関連の会社の人たちが電気のない村の小学校のことを知って助けてくれた」というような説明しました。これから先生にも生徒にもこのソーラーシステムを末永く大事に使って欲しいと思います。
Tutaonana
(この小学校の生徒たち。校舎の上にソーラーパネルが載っているのがわかりますか?)