昨日の夜はタンザニア在住の日本人が行う夏祭りに行ってきました。年中季節は夏のタンザニアなんですが、日本の夏に合わせて盆踊りを踊ったり、大使館やJICA、民間の企業などが出店を出したり。焼き鳥や豚汁、クレープにカレーライスなど、お腹一杯食べてきました。
さて、昼間は毎週ハーモニカを教えている特別支援校の卒業式に行ってきました。今年の2月から週1回のペースで7年生の生徒たちに会い歌やハーモニカを教えてきましたが、修了試験も終わり、7年間の寄宿舎生活を終えてこの日がお別れの日です。卒業式にはいつも一緒に歌やハーモニカの指導にあたってきたダルエスサラーム在住の二人の日本人の方も出席してくださいました。それからいつも一緒に手伝ってくれているタンザニア人の青年ももちろん一緒です。彼はこの日のために先生から子どもたちのお芝居や太鼓、歌の指導もお願いされ、卒業式前は週に約3日この学校に来ていました。
(在校生による太鼓と踊り。黒いTシャツを着て太鼓をたたいているのが指導した青年です。)
全員の生徒ではありませんが、卒業式には普段は離れて生活している家族の人たちもたくさん来ていて、子どもたちの卒業を心から喜んでいる様子も伝わってきました。この学校の生徒はみな体のどこかに障がいのあり、このような学校は他にはほとんどないため、生徒たちは全国各地から集まり親元を離れ寄宿舎生活をしています。学校の運営はキリスト教の教会の支援とテメケ区役所や政府が協力し合ってなりたっており、運営費のほとんどは教会からのようですが、教員は政府からの派遣です。生徒が休暇ごとに家族の元に帰る際の交通費などは区役所が出しています。敷地内には義足を作ったり車椅子の手入れなどをする作業場もあり、技師の方たちもいます。他の学校にはめったにないきれいな図書館もあり、他の学校より充実した学習環境と言えます。
こちらの小学校の卒業式は日本のように、先生の言葉や挨拶、在校生の挨拶や卒業証書の授与などのほかに、歌だけでなく、生徒たちの寸劇や踊りもあります。この日は卒業生のイケメン3人組のラップが特に大人気。歌っている最中に、先生や保護者が走り寄って御ひねりをみんなのポケットに突っ込んでいました。
(イケメン3人組のラップ。彼らは勉強、スポーツなど、結構なんでも出来る生徒たちです。きっと人気者だと思います。)
この日も在校生と卒業生がそれぞれ寸劇、歌、太鼓と踊りを披露しましたが、7年生のお芝居のお話が特に印象的でした。お話はというと。。。
ある夫婦に赤ちゃんが生まれるのですが、その子に障がいがあり、夫の家族が子どもと奥さんを追い出せとか、妻と別れろと迫るというものです。生徒はとても上手に堂々と演じました。最後に演技をした生徒代表がこの寸劇に載せたメッセージについて以下のようなスピーチをしました。
「私たちはこの学校で学ぶことができましたが、タンザニアにはまだこの家族のように障がいのある子どもを隠したり、教育を受けさせない家族があります。またこの学校で勉強したい子どもたちはたくさんいるのにここで勉強できる生徒は毎年30人だけです。どうかこの教会や政府はもっとたくさんの子どもたちを助けてください。」
(こちらは在校生たちが行った寸劇)
彼女のスピーチを聞き、こんな環境で勉強できる子どもたちがごく限られた子達だということを私はこれまで忘れていたように思いました。町中で道路の真ん中に座って物乞いをしている人も実際見かけます。やっぱりまだ支援が必要なんだなと思った瞬間でした。
さて、この学校はMatumaini小学校と言い、その意味は「希望」です。彼らの進路ですが多くはまた寄宿生の中学校へ進むようです。たくさんの困難もあるでしょうが、役所の中にも体に障がいのある役人も見かけます。成績がとても優秀な生徒もおり、彼らの将来が楽しみです。
Tutaonana