2009年9月13日日曜日

卒業式-Matumaini特別支援小学校

Hamjambo?

昨日の夜はタンザニア在住の日本人が行う夏祭りに行ってきました。年中季節は夏のタンザニアなんですが、日本の夏に合わせて盆踊りを踊ったり、大使館やJICA、民間の企業などが出店を出したり。焼き鳥や豚汁、クレープにカレーライスなど、お腹一杯食べてきました。

(タンザニアっぽくないけど、タンザニアで撮った写真です。)

さて、昼間は毎週ハーモニカを教えている特別支援校の卒業式に行ってきました。今年の2月から週1回のペースで7年生の生徒たちに会い歌やハーモニカを教えてきましたが、修了試験も終わり、7年間の寄宿舎生活を終えてこの日がお別れの日です。卒業式にはいつも一緒に歌やハーモニカの指導にあたってきたダルエスサラーム在住の二人の日本人の方も出席してくださいました。それからいつも一緒に手伝ってくれているタンザニア人の青年ももちろん一緒です。彼はこの日のために先生から子どもたちのお芝居や太鼓、歌の指導もお願いされ、卒業式前は週に約3日この学校に来ていました。

(在校生による太鼓と踊り。黒いTシャツを着て太鼓をたたいているのが指導した青年です。)

全員の生徒ではありませんが、卒業式には普段は離れて生活している家族の人たちもたくさん来ていて、子どもたちの卒業を心から喜んでいる様子も伝わってきました。この学校の生徒はみな体のどこかに障がいのあり、このような学校は他にはほとんどないため、生徒たちは全国各地から集まり親元を離れ寄宿舎生活をしています。学校の運営はキリスト教の教会の支援とテメケ区役所や政府が協力し合ってなりたっており、運営費のほとんどは教会からのようですが、教員は政府からの派遣です。生徒が休暇ごとに家族の元に帰る際の交通費などは区役所が出しています。敷地内には義足を作ったり車椅子の手入れなどをする作業場もあり、技師の方たちもいます。他の学校にはめったにないきれいな図書館もあり、他の学校より充実した学習環境と言えます。


こちらの小学校の卒業式は日本のように、先生の言葉や挨拶、在校生の挨拶や卒業証書の授与などのほかに、歌だけでなく、生徒たちの寸劇や踊りもあります。この日は卒業生のイケメン3人組のラップが特に大人気。歌っている最中に、先生や保護者が走り寄って御ひねりをみんなのポケットに突っ込んでいました。


(イケメン3人組のラップ。彼らは勉強、スポーツなど、結構なんでも出来る生徒たちです。きっと人気者だと思います。)

この日も在校生と卒業生がそれぞれ寸劇、歌、太鼓と踊りを披露しましたが、7年生のお芝居のお話が特に印象的でした。お話はというと。。。

ある夫婦に赤ちゃんが生まれるのですが、その子に障がいがあり、夫の家族が子どもと奥さんを追い出せとか、妻と別れろと迫るというものです。生徒はとても上手に堂々と演じました。最後に演技をした生徒代表がこの寸劇に載せたメッセージについて以下のようなスピーチをしました。

「私たちはこの学校で学ぶことができましたが、タンザニアにはまだこの家族のように障がいのある子どもを隠したり、教育を受けさせない家族があります。またこの学校で勉強したい子どもたちはたくさんいるのにここで勉強できる生徒は毎年30人だけです。どうかこの教会や政府はもっとたくさんの子どもたちを助けてください。」

(こちらは在校生たちが行った寸劇)

彼女のスピーチを聞き、こんな環境で勉強できる子どもたちがごく限られた子達だということを私はこれまで忘れていたように思いました。町中で道路の真ん中に座って物乞いをしている人も実際見かけます。やっぱりまだ支援が必要なんだなと思った瞬間でした。


さて、この学校はMatumaini小学校と言い、その意味は「希望」です。彼らの進路ですが多くはまた寄宿生の中学校へ進むようです。たくさんの困難もあるでしょうが、役所の中にも体に障がいのある役人も見かけます。成績がとても優秀な生徒もおり、彼らの将来が楽しみです。

Tutaonana

2009年9月9日水曜日

この国の発展度

Hamjambo?

 今日と明日は7年生修了の国家試験です。昨日は先生たちもその準備で忙しそう。校舎に描かれた世界地図は紙でふさいだり、午後からは学校への立ち入り禁止となりました。
 さて、この前の週末はダルエスにある大きなショッピングセンターへ行き、いつも通っている特別支援校の生徒たちが卒業するのでみんなで撮った写真を現像しに行きました。このショッピングセンターはチェーン店のスーパーマーケットや日用雑貨の量販店のような店、インテリア品や服を売る店などがあり、あとは色々な専門店、レストラン、映画館、銀行などが入っています。最近、そのとなりには大きなホールも出来、大きな会議やショーなどができるようになりました。先日もここでミスコンテストが行われたそうです。ここに来ればお金さえ出せば大体のものは手に入ると思います。初めて来た時はびっくりしました。
     (ショッピングセンター内の専門店街です。とてもキレイで、ちょっとウキウキします。)
お客さんは外国人ももちろんたくさんいますが、タンザニア人がほとんどで、こういう場所に来て買い物が出来る人がたくさんいることがわかります。10年以上前にタンザニアに住んでいた日本人の方で2度目の滞在をされている方に伺うと、10年前に比べてやはり経済的にはずいぶん豊かになったとおっしゃっていました。例えば、こちらの女性のおしゃれの仕方も以前とは違うそうです。こちらの女性たちは髪の毛のくせ毛が強いので、そのままではなかなか髪を伸ばしたりできないので、坊主にするか編みこむしかありません。ですが、たくさんの女性がストレートパーマをかけたり、カツラやエクステンション(付け毛)で色々な髪型を楽しんでいますが、それも最近のことだそうです。

 (先日エチオピア料理を食べに行きました。色々な各国料理もダルエスなら食べることができます。)

ほかの面では教育を受ける人たちの割合もどんどん増えています。私が活動の中で出会うタンザニア人の多くは、とても優秀ですし、学校へ行っている、行っていないにかかわらず、すばらしい考えを持ちいろんな意味で能力が高いと思うことがしばしばです。 その一方で、どこの国も同じでしょうが、少数ですが困った人たちにも出会いがっかりすることも正直あります。

先日、別の職業訓練校で授業をした帰り道、生徒たちが私に近づいてきました。挨拶するだけかと思ったら、みんなが私を取り囲んであることを訴え始めました。その訴えというのも、その生徒たちが国や州のお偉い方を招いて行ったある行事で、食事の準備などの手伝いに借り出されたのですが、その仕事の報酬で役所からでたお金を先生が自分の懐に入れてしまったというのです。生徒の話しによると、そのお金で旅行に行ったとか、行かないとか。。。私のカウンターパートがその学校の責任者なのでその人に事情を説明するように伝え、私も翌日カウンターパートに話しの内容を伝えました。証拠は何もありませんが、もし本当だったら大変なことですし、残念なことです。その先生は私がライフスキルの授業をしに行くことをとても喜んでくれていました。その一方で、その日は学校の設備が整っていないから何とかしてほしいと訴えられたばかりでした。

(タンザニア人が書いた日本語! 先日別の小学校で黒板に日本語を書いてあげたら、生徒が真似をして自分でノートに日本語を書いてきました。上手に書けています。)

翌日私のカウンターパートに相談すると、「あの人ならそういうこともありえる。」と言われました。これまでも学校の備品が大量になくなったりしたことがあったと言うのです。とてもよい先生だと思っていたので、それを聞いてガッカリしました。これまでそういった、いわゆる「横領」とか「賄賂」とか話には聞いていてもあまり身近に起こったことは無かったのですが、やはりあるのだなぁと現実を見た思いでした。

ですが、救いは、私のカウンターパートや同じ部屋の人が「生徒たちがうそをついてそんなことを言ってくるはずはない。」と言い、生徒たちが話をしに来るだろうと伝えると「生徒たちはここに訴えにこればいい。お金は生徒のものだから断固として彼女たちに返すべきだわ。」と言ってくれたことです。自分の身近なタンザニア人がこういう考えの人でよかったと思います。と同時に、今回の被害者となった生徒たちが大人になった時、同じようなことをする大人にならないよう、きちんと対処しなくてはこの国の発展もありえないと思いました。

Tutaonana